なぞる命と健康長寿

 自然界は大局的に見ると〝なぞる〟世界です。次回の日食がxxxxxxxx日であると予測できるのも天体があらかじめ定まった軌道をなぞっているからです。

 例えば個体発生は系統発生を繰り返すと見ることができます。すなわち、我々生命もひとつの個体であり、受精から個体ができる過程(個体発生)はこれまでの進化の過程(系統発生)をなぞっているわけです。

 つまり個体発生は進化の過程が集約されている遺伝子をなぞっているとの見方もできます。このように個体ができるまでの生命のなぞる性質は比較的よく知られています。しかし生命のなぞる性質は個体が形成されたら終わりではなく、その後も続いており、生命の時間の連続性も保たれているのです。

 これを初めて具体的に明らかにしたのが体内地動(体内地動説)です。つまり体内地動はこれまでよく知られている以外の生命のなぞる性質を明らかにしました。それだけでなく、バイオスターと称する運動体が生命場せいめいばなぞる体内地動により、身心のコンディションが変化(バイオウェーブと称している)し、これが健康を変化させる大きい要素になっています。このような生命のもつ必然面によって健康が変化するメカニズムを健康の予測に活用し、積極的に病気を予防するのが体内地動健康学です。つまり体内地動健康学は〝なぞる命〟の性質を知り応用することで科学的に健康長寿が実現可能なことを示しているのです。

 〝なぞる〟ことは一種の運動であり、この運動は反復と非反復に大別されます。地球をはじめ惑星の公転は反復運動であり、天体でよく見られるのは反復運動です。しかし天体も大きな目で見ると繰り返さない非反復運動をしているのです。

 我々個体の生命も時間的に一番大きいのは非反復のなぞる運動です。これが体内地動としての運動です。

 つまりバイオスターと称する二種類の運動体があらかじめ築かれた生命場をなぞっていますので、バイオスターが生命場をできるだけスムーズに長く運動することが健康長寿に繋がりますので、そのように生命場のコンディションを整えることが重要です。生命場は先天性と後天性を併せもち、環境や生き方が反映されます。

 長寿は一義的には身体系の第一バイオスターが生命場を長く運動することです。ところがそれに見合うだけ精神系の第二バイオスターがスムーズに生命場を運動するコンディションが整っていないと認知症に通じるのです。

  超高齢社会はこのような視点から認知症を予防することが極めて重要です。

 なお〝なぞる命〟は次ページの「見過ごされている影の主役」として別の切り口から述べています。

 

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