ダブルスタンダード

 ダブルスタンダード(二重基準)は悪しき代表のように言われています。しかし時間認識に関してはむしろダブルスタンダードが必要なのです。

 ひとつは一般的になっている人間社会中心の時間認識、もうひとつは自然中心の時間認識です。そして自然中心のうち、とりわけ生命中心の時間認識が健康には大変重要です。

 つまり時間認識はダブルスタンダードが必要な数少ない例外です。

 我々人間が社会的な生き物である以上、人間社会が取り決めた一日24時間や一年365日など時間の物差しに基づいた人間社会中心の時間認識は必要です。一方、健康のためには生命が十分に機能する必要があり、それには時間認識が生命中心であることが重要です。

 一般に言われている「時間」が時間そのものではなく、「時間の物差し」であることは、地球以外の惑星に住んだことを想像すれば分かるはずです。そこでは自転の周期も公転の周期も地球とは違うからです。

 人類が時間認識を有するようになって以来、時間の指標は太陽や地球や月など外部の天体です。外部の天体を物差しとする時間は我々の健康と直接関係はありません(間接関係はあります)。ところが我々は健康と直接関係する時間およびその指標を生命内部にもっているのです。

 その時間の指標が温故知新、当方が体内地動説を提唱する基になったバイオスター(運動体)です。バイオスターは身体系と精神系の二種類あって経年的に運動しており、それぞれの系の重要な役割をはたしています。超高齢社会のいま認知症をはじめとする疾患を予防し健康で生きる(健康寿命を伸ばす)ためにも時間認識が強く問われているゆえんです。

 

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