命育/子供たちの未来のために

 日本では自殺者が1998年以来14年連続で3万人を超え、その後も3万人弱で推移していますが、真に命を育む教育が行なわれてきたかと言えば否です。つまり命育めいいくないのです。

昔は体育・知育・徳育が教育の基本でしたが現代は徳育が衰退し、代って食育が隆盛になっています(ただ最近では徳育も幾分復活しつつあり)。しかし本格的な命育はいまだにありません。

体育・知育・徳育・食育に子供時代の命育が加わってこそ長い目で見た健康向上・病気予防のほか、自殺防止にも通じるのです。暦に基づいて年齢を数える暦年齢一辺倒をはじめ、これまでの社会常識や知識では効果的な命育は不可能です。

暦の一年は地球が太陽の周りを一公転する時間であることからお分かりのように時間の指標が我々の生命・健康とは直接関係のない外部にあります。ところが我々は生命・健康と直接関係する時間の指標のみならず時間を体内にもっています(バイオスターの検出により明らかなりました)

つまり年齢は本質的には生命内部の時間に対応するものであり、暦に対応するものではありません。時間認識は命育の核心部分です。

アインシュタインの言う「常識とは18歳までに身に付けた偏見のコレクションのことを言う」の偏見に気づく命育が重要です。小学校高学年から命育は可能であり、早くから生命の本質やダイナミックな働きなどに子供の関心を向けさせ命を育むことが病気予防、自殺防止にも有効と考えられます。

適切な命育が行なわれたなら子供時代だけでなく、将来、大人になった時の生活習慣病や認知症など疾患の大幅減、さらに自殺の減少、オレオレ詐欺(あるいは振り込め詐欺)のような詐欺に引っかかることも激減するでしょう。なぜなら命育は身体現象のみならず一般に知られていない深層心理(それを実験心理で学ぶなど)を含む心理現象も踏まえた人間の命全体を踏まえた教育であり、これこそ真の命育だからです

 

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