時間認識に早く目覚めるほど軽減する認知症リスク

 認知症にはアルツハイマー型、脳血管型、レビー小体型、前頭側頭型(ピック病)などがありますが、脳血管型を除けば原因は不明とされています。原因が不明であれば有効な予防策も不明なのは当然です。

 認知症の予防は最も長期視点を要するのです。なぜなら認知症は加齢すなわち生命内部の時間が最大の発症リスク(認知症リスク)であり、かつ加齢は回避できないからです。つまり発症の何十年も前に分水嶺があるのです。もちろん認知症リスクの大きいほうに進んでも以後に軌道修正は可能です。しかし軌道修正が極めて難しくなる境界があるのです。

 したがってできるだけ認知症リスクの小さいほうに早くから進むに越したことはありません。それには生命内部の時間を中心とした(生命中心の)時間認識に目覚めることが重要です。加齢にともなって疾患全体のリスクは増加しますが、ガンや心臓病や脳卒中など個々の疾患はひとそれぞれのもつ危険期(バイオウェーブの低位期)を乗り越えると発症リスクが減少します。

 ところが認知症は加齢とともに発症リスクが増加します。だから加齢に注目する必要があるのですが、加齢は本来、生命内部の時間によるものです。ところが生命内部の時間がこれまで見落とされてきたか十分に認識されてきませんでした。

 体内地動説は生命内部の時間を具体的に指摘しています。「常識とは18歳までに身に付けた偏見のコレクションのことを言う」とアインシュタインが言った偏見の代表に時間認識をあげることができます。つまり一般的な時間認識は人間社会中心であるため生命など自然からすると一種の偏見なのです。

 18歳までに身に付けた偏見のコレクション」としての常識に気づき精算する第一のチャンスは一般に心の第二成長期(29歳から35歳)にあります。この時期に認知症リスクを軽減させることができるか否かの言わば第一分水嶺があるのです。つまり35歳までに偏見のコレクションを精算した場合は認知症リスクが大きく軽減します。心の第二成長期について詳しくはお問い合わせください。

 不可逆性が大きい認知症はそれだけ発症リスクの分水嶺が早くにあることを意味します。このことを当方は経験則によりずっと前から感じ認知症に警鐘を鳴らしてきましたが、最近になってようやく他の研究でも発症リスクの分水嶺が早くにあることを言い始めています。認知症の予防は最も長期視点を要するもので研究データで明らかになるのを待っていては手遅れになりかねず、経験則も重要なのです。

 

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