柔の健康/剛の健康

 風邪も引かないし病気をしたこともない、というひとが稀にいます。このようなひとは「剛の健康」と言えます。しかし剛の健康は意外にポッキリ折れやすいのです。疲労やストレスが溜まっていても反応が遅いので顕在化しにくく、顕在化した時には重症の傾向が大きいのです。

 一方、「柔の健康」は反応が早く環境の変化に比較的敏感、風邪の前兆症状を呈することはよくあります。が、その段階で自然治癒力が働き、原則として薬なしで早期回復、寝込むことはほとんどありません。

 柔の健康/剛の健康という区分はこれまでなかったもので、当方が初めて打ち出した概念です。しかし言われてみると心当たりがあるという方が大変に多いのです。言い換えれば、健康のこのようなタイプを知らずに誤った診断をされて不必要な治療を施されたり、不要な薬を服用したりして不健康体質に陥っている人が多いのです。

 一例をあげれば、柔の健康者の特徴は「日中に血圧と脈拍数が比較的高くなる」かつ「早朝高血圧がない」です。しかし日中に血圧が高い人を脈拍を考慮して医療が診断していればまだしも、そうでないと柔の健康者も一律に高血圧症と診断されかねないのです。【柔の健康者の高血圧は高血圧症ではない!】のにです。これは高齢になると増える例です。

 柔の健康者の血圧と脈拍数が日中に比較的高くなることは、運動していると同様の効果が循環器的にはあります。この点で剛の健康者は運動しないと運動不足になりやすいのです。

 なお「早朝高血圧」に少しコメントしますと、就寝中の血圧が早朝にも継続しての高血圧が良くないのです。就寝から覚醒に移行した時点で血圧が少々高くなるのは正常でもよくあるパターンです。殊に気温の低いところで血圧を測定すると高くなります(20度C前後の室温が適温)。

 

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