治療の前に予防する

治療に劣らず重要なのが予防です。しかし病気になって初めて健康の有難味を実感し予防の重要性を認識するのが一般的です。

この流れを変えるには「18歳は健康の自立年齢」であることを大人が自覚し、成人の疾患はもっともっと予防できることを知る必要があります。

生命が未熟な子供は成人よりも急性疾患を予防するのが困難です。この延長で大人も医療依存に陥りがちですが、成人の疾患は本来もっと予防できるのです。しかし医療依存に陥ってしまっては薬と無縁ではなくなります。薬漬け体質になると予防もままなりません。

予防は短期視点のみならず、中・長期視点ももち合わせないと十分ではありません。このことは生命活動が二重性からなっていることが当方の研究で明らかになり(体内地動説として提唱)、特に強調しておきたいと思います。

体内地動説は真理が天動説か地動説かのような二項対立ではありません。体内地動説の「地」は天地の地として下方である土台を表し、呼吸や心拍、代謝など周知の生命活動の土台となる生命活動がバイオスターと称する運動体の運動で成り立っていることを示し、さらに二重性を示しています。

この生命活動の二重性を知ると知らないとでは予防で大違いです。二重性を知らないために巨大病理(「医者も知らない三大病理)を参照)が見落とされてもいるのです。そして体内地動説を生命活動からさらに健康に発展させたのが「体内地動健康学」です。

人間は知性が発達したため、他の生き物には不要な知識が予防には必要です。でないと自然治癒力が十分に働かず、重症になりやすいのです。

また暑い季節になると熱中症になるひとが急増します。そして熱中症対策も短期視点の情報しか発信されていません。しかし熱中症も中・長期視点をもち合わせないと十分ではないのです。すなわち熱中症も暑くなる前から対策を講じるべきなのです。

特に慢性疾患は何十年という長期視点が予防には必要であり、なかんずく認知症の予防は最も長期視点を要します。なぜなら認知症は加齢すなわち生命内部の時間が最大の発症リスクでありながら加齢は回避できないからです。

したがって認知症になってからの治療は非常に困難であり、とりわけ予防を重視すべきが認知症です。


次ページ   前ページ