見過ごされている影の主役

 宇宙と同様「秩序と調和」に大別される我々生命の活動は受精後に個体を形成します。この段階では秩序の活動が主役です。ところが個体の基本が形成されると心臓が動き始めて調和の活動が台頭します。

そしてさらに赤子として誕生すると呼吸も始まり、主役の座は完全に調和の活動に取って代わります。

つまり秩序の活動は影の主役に回ったのであり、活動が終わったわけではないのです。しかしながら科学や医(医学・医療)はこの影の主役に回った秩序の活動をあたかもすでに役目を終えたかのごとく無視してきました。これが生命・健康に関する最大の誤りと言えるのです。

もしこの誤りに科学や医のみでなく、人々が広く気づいたなら、ヒトはいまよりもっともっと健康で生きることのできる生き物になります。この影の主役に回った秩序の活動の形態を差したのが体内地動です(前ページでは〝なぞる命〟と表現しています

もともと秩序の活動がなければ調和の活動もないのですが、個体となった以後、両者は対等の関係で相互補完しています(生命活動の二重性)。しかし影の主役に回った秩序の活動は言わば内助の功で表立って見えないため見過ごされているのです。

突然の病気や突然死の真因が不明なのも科学や医が影の主役を見過ごしてきたからなのです。このような死角の存在を人々は無意識のうちに感じ、あるひとは宗教の無病息災に健康を求めてきました。しかし少なくとも疾患はもっと科学的に予防することが可能であることを体内地動健康学にて気づいていただきと願っています。


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